Room1【 Tomiya Kato solo exhibition 】
加藤富也 “ 転 “
2021.6.11(Fri) - 6.20(Sun) 会期中無休
12:00 - 18:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)

*レセプションパーティーはございません。

“切株より” acrylics on canvas 273×273mm 2021

s+arts (スプラスアーツ)より、加藤富也個展「転」の開催をお知らせいたします。

緻密な描写とも見える加藤富也の点描画は、事物の再現ではなく、空間に浮遊する素粒子のような「存在の気配」を抽出して再構成されています。全ての色彩を混合すると無彩色のグレーとなる中で、様々な色を感じさせるグレーを描くという、自身の基本表現から生まれる加藤の作品はどれも、一見落ち着いた印象で統一されているように見えます。しかしながら、目の前に広がる無数の点は、近くで見ればみるほどその鮮やかさが増し、気配を醸し出すための様々な色彩で溢れています。

「モチーフが何であれ、描かれたものは実は全て抽象であり、「点」の集積に過ぎない」と言う加藤の点描からは、感情的な印象ではなく、物質が放つ存在感のみが感じられるような印象を受けます。「人の存在も素粒子の群として見れば、あるエネルギーの流れが漂っているに過ぎず、社会的な存在としての差異などは大した問題ではない」と考える加藤にとって、作品を描く上で何がモチーフかは重要ではなく、そこに確かに存在することで感じられるエネルギーのような気配を捉えることに重きを置いています。どことなくドライにも聞こえる加藤の言葉ですが、言い換えると、全ての人や物の存在を受け入れ、等質に見ることが出来る優しさが作品に内在していると言えるでしょう。

本展タイトルは、転機を意とする「転」。加藤にとって過去の振り返りと作品アプローチにおける指標として今回の展示に選ばれた言葉です。自身が制作を始めた頃の初心に戻り、今に通じる表現の追求と、点描以外の可能性についても再度探求していく機会となる展示になりました。これまでストイックに点描の制作を続けてきた加藤が、大らかで柔らかい姿勢で臨んだ作品も発表いたします。

これを機に、繊細で美しい加藤富也の新作展を是非ご高覧ください。


加藤富也 Tomiya Kato

1955 神奈川県生まれ
1980 武蔵野美術大学油絵学科卒

個展・グループ展
2020 「環」- たまき - / s+arts (六本木)
2019 「点描画2019 -素粒子のように6-」/ s+arts (六本木)
2018 「点描画2018 -素粒子のように5-」/ Shonandai Gallery(六本木) 
2017 Shonandai Gallery 30th Anniversary Exhibition / 湘南台画廊(藤沢)
  「点描画2017 -素粒子のように4-」/ Shonandai MY Gallery(六本木)
2016 「点描画2016 -素粒子のように3-」/ Shonandai MY Gallery(六本木)
2015 「点描画2015 -素粒子のように2-」/ Shonandai MY Gallery(六本木)
2014 「点描画2014 -素粒子のように-」/ Shonandai MY Gallery(六本木)
  「地表の記憶より3 -素粒子のように、化石のように-」/ ギャラリー檜Plus(京橋)
2012 ギャラリー檜B(京橋)
2011  ギャラリー檜B(京橋)
2009 ギャラリー舫(銀座)
2008 ギャラリー舫(銀座)
2007 ギャラリー檜(銀座)
2005 ギャラリー舫(銀座)
2003~1999  ギャラリー檜(銀座)
2001 湘南台画廊 (藤沢)
1997 湘南台画廊 (藤沢)
1996~95 ギャラリー檜(銀座)
1993 ギャラリー檜(銀座)
1992 湘南台画廊 (藤沢)
1992~83 ギャラリー檜(銀座)

アートフェア
2018 Affordable Art Fair Singapore(シンガポール)/ Shonandai Galleryより
2017 Affordable Art Fair Brussels(ベルギー)/ Shonandai Galleryより

収蔵
沼津市庄司美術館
町田国際版画美術館
平塚市美術館
山梨県立美術館