s+arts Room 1 【Tomiya Kato solo exhibition

加藤富也 “ 点描画2019 素粒子のように6 − ゆらぎ − “

2019.6.7(Fri) - 6.16(Sun) 会期中無休
12:00 - 19:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)
Reception:2019.6.7(Fri) 18:00〜20:00

‘ 白い花盛り2(in white blossom #2) ’ acrylic on canvas 803×603mm

s+arts (スプラスアーツ)より、加藤富也個展「点描画2019 素粒子のように6 -ゆらぎ-」の開催をお知らせいたします。

緻密な描写とも見える加藤富也の点描画は、事物の再現ではなく、空間に浮遊する素粒子のような「存在の気配」を抽出して再構成 されています。一見落ち着いた色彩で統一されているような加藤が描く無数の点は、近くで見ればみるほどその鮮やかさが増し、気配 を醸し出すための様々な色彩で溢れています。
以前は写真作品も多く発表していた加藤が併行して点描を始めたのは1990年代中頃。日々を取り巻く他者や社会との様々な関係に 疑問を抱いていた加藤は、「人の存在も素粒子の群として見れば、あるエネルギーの流れが漂っているに過ぎず、社会的な存在として の差異などは大した問題ではない」という視点に気がつき、生きることに対して楽な気分になったと語ります。その心境の変化の時期 とアボリジニの作品との出会いが重なったことで、加藤の点描への追求はスタートしました。
本展では、ゆらぎながら世界を循環する素粒子をイメージした新作を発表いたします。 山の森に雨が降り、樹木が水を吸い、葉が茂り、太陽の光で光合成により酸素が作られ、それを含んだ大気は広がって、街にも降りて 人がそれを吸い、吐かれた息の二酸化炭素はゆらゆらと漂い、森の樹木がそれを取り入れる。そしてまた雨は山の森に降る・・・という ように、様々なものに繋がって、素粒子のエネルギーは浮遊しながら循環していきます。
「モチーフが何であれ、描かれたものは実は全て抽象であり、「点」の集積に過ぎない」と言う加藤の言葉は、どことなくドライな印象 を受けます。ただ、ここで加藤が意図していることは、何がモチーフかは重要なのではなく、そこに確かに存在すること、そこに感じら れるエネルギーのような気配を捉えることを重要としている点だといえるでしょう。
様々なモチーフを等質に素粒子的なエネルギーの 流れとして見ている加藤富也だからこそ描ける、繊細で美しい点の集積です。これを機に是非ご高覧ください。


加藤富也 Tomiya Kato

1955 神奈川県生まれ
1980 武蔵野美術大学油絵学科卒

個展・グループ展
2019 「点描画2019 -素粒子のように6-」/ s+arts (六本木)
2018 「点描画2018 -素粒子のように5-」/ Shonandai Gallery(六本木) 
2017 Shonandai Gallery 30th Anniversary Exhibition / 湘南台画廊(藤沢)
  「点描画2017 -素粒子のように4-」/ Shonandai MY Gallery(六本木)
2016 「点描画2016 -素粒子のように3-」/ Shonandai MY Gallery(六本木)
2015 「点描画2015 -素粒子のように2-」/ Shonandai MY Gallery(六本木)
2014 「点描画2014 -素粒子のように-」/ Shonandai MY Gallery(六本木)
  「地表の記憶より3 -素粒子のように、化石のように-」/ ギャラリー檜Plus(京橋)
2012 ギャラリー檜B(京橋)
2011  ギャラリー檜B(京橋)
2009 ギャラリー舫(銀座)
2008 ギャラリー舫(銀座)
2007 ギャラリー檜(銀座)
2005 ギャラリー舫(銀座)
2003~1999  ギャラリー檜(銀座)
2001 湘南台画廊 (藤沢)
1997 湘南台画廊 (藤沢)
1996~95 ギャラリー檜(銀座)
1993 ギャラリー檜(銀座)
1992 湘南台画廊 (藤沢)
1992~83 ギャラリー檜(銀座)

アートフェア
2018 Affordable Art Fair Singapore(シンガポール)/ Shonandai Galleryより
2017 Affordable Art Fair Brussels(ベルギー)/ Shonandai Galleryより

収蔵
沼津市庄司美術館
町田国際版画美術館
平塚市美術館
山梨県立美術館