Room 2
【 Jasmine Fulford / Anri Mike two person exhibition 】
” the drawn ” フルフォード素馨 / 三毛あんり
2023.11.17(Fri) - 12.2(Sat)
日・月・火曜休廊
Close : 日・月・火曜 / Sun, Mon, Tue

*レセプションパーティーはございません。

[ 左 ] フルフォード素馨 : “ メイクアップ “ アクリル、キャンバス 91×72.7cm 2023(部分)
[ 右 ] 三毛あんり: “ 暗い鏡 6 “ 楮紙、顔料、膠 22.7×15.8cm 2023(部分

s+arts(スプラスアーツ)より、フルフォード素馨と三毛あんりによる二人展「the drawn」の開催をお知らせいたします。主に油彩やアクリルで絵を描くフルフォードと、日本画の技法と素材を用いて絵を描く三毛の両者が持つ独特の世界観は、共に魅力的でありながらも、コンセプトやスタイルも含めて全く異なります。各々の作品から醸し出される空気感の交わりを一つの展覧会で見てみたいという興味から本二人展は生まれました。あえて共通テーマを設けず、自由に制作をしながらも、二人展という枠組みに向けて描かれた作品を展開いたします。

フルフォード素馨は、テーマやコンセプト、モチーフ、描き方等は決めずに作品を制作しています。日本とイギリスの背景を持ち、「人」 や「わたしの家族」、「自身のアイデンティティ」を制作テーマとする期間を経て、現在は個人的な日常の視覚的経験を絵画に変換することで得られる、素朴な喜びを主なモチベーションに制作を行なっています。今の自分や、その時その時の作りたいイメージや感覚に正直であることを大切にして、出逢いのままに、さまざまなモチーフに取り組んでいるフルフォードが最近考えているのは、「理解するということ」と「イメージの生成プロセス」だと話します。

私は絵が下手だ。厳密な下絵を作っても、きちんと再現できた試しはなく、同じ身体に収まっている脳と目と手なのに、神経がうまく繋がっていないのではないかと思ってしまう。でもそのおかげで、「どんなに本来のイメージに忠実に作ろうとしても、そこにエラーや違いが生じる(そしてそれが新たな出発点になる)のが、ものを作る上で面白いところなのではないか」と思う様になった。重要なのは本来の問題に忠実であることより、目の前の問題を片付けることなのではないか、ということだ。それが全ての人の実生活においても正しいかはわからないが、少なくとも私が絵を描く上では、その方が楽しい。私は楽しいことを選ぶことにしているので、私にとってこれは正しいことなのである。--- フルフォード素馨

三毛あんりは、紙、膠、顔料を用いて、内面化した同時代の無意識を想像上の「自画像」として描いています。「日本画」を「自画像」と捉えて延命させる試みを実行中だと話す三毛は、主題を自身に限定することで、具象絵画において往々にして不可避である"描く対象を消費すること"を、自身の作品を持って避けようとしています。これまでも度々三毛の作品に登場する能面をモチーフとした作品や、鮮やかな色彩を施した作品、植物から着想を得て描かれた人物像など、彼女特有の軸を保ちながらも、本展では様々な作品の展開が見られることでしょう。

展覧会の打ち合わせで素馨さんが「コンセプトを決めすぎると描けなくなるから」と言っていたのが印象的だった。そういうことは確かにある。展覧会のために早々とコンセプトを掲げた結果、頭がぐるぐるして手が止まってしまったり、なぜか天邪鬼が顔を出してコンセプトからずれたものを作ってしまったり。そこで、今回は素馨さんの言葉を頭の片隅に置きながら、生活の合間や仕事中にノートに日々こっそり描いている身体図式ドローイングを大きく拡大し、とりあえず様々な紙に転写してみた。その紙を重ねてみたり、ずらしてみたりする。結果として浮かび上がるものがあるとすれば、それをコンセプトとして掲げてみてもいいかもしれないと思いながら。--- 三毛あんり

展示タイトル「the drawn」とは、「描かれたもの」を意味しています。自然と作家から生まれることにフォーカスしたフルフォード素馨と三毛あんりの二人展を是非お楽しみください。


フルフォード素馨  Jasmine Fulford
1988 神奈川県生まれ
2009 武蔵野美術大学 油絵学科 油絵専攻入学
2011 版画専攻に転専攻
2013 同大学卒業後、イギリスに渡る
2017 UAL Central Saint Martins MA Fine Art 卒業

展示
2022 個展「Repetitive Imageries」Tagboat Gallery(東京) 
グループ展「s+arts christmas exhibition」s+arts(東京) 
個展「接点」Kido Press(東京) 
個展「Shapes In Bloom」RISE Gallery(東京)
2021 「Independent Tokyo」東京ポートシティ竹芝(東京)(グランプリ受賞)
2019 個展「Three Rooms of Attachment」Makii Masaru Fine Arts(東京)
「アジアイラストレーションフェア」上海宝龍美術館(上海)
2018  「台北イラストレーションフェア」(台北)(Freedom Man賞)
個展「近くも遠くもない(あなた)」EFAG CSS(東京)



三毛 あんり  Anri Mike
1990 東京生まれ
2012 多摩美術大学造形学部造形学科日本画専攻卒業
2014 多摩美術大学大学院修士課程絵画専攻日本画研究領域修了

個展
2023 「変構」 PARA (東京・神保町4F、YouTube、instagram、zoom)
2021 「ジェネリックポートレイト」 YEBISU ART LABO (愛知)
2020 「センシュアルストーン」 s+arts(東京)
2017 「グライアイ」 Shonandai MY gallery(東京)
「肖像画展」 ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ(東京)
2015 「関係ない人」 Shonandai MY gallery(東京)
2013 「君のいないサマーランド」 かしがろう(CASHI内バックヤード電気冷蔵庫137L2F)(東京)

グループ展
2022 「家船 大阪西成漂着」 EARTH(大阪)
「s+arts summer exhibition」 s+arts(東京)
2021 「家船 淡路島漂着」 津井の家「琴屋」(淡路島)
「かさなる波紋」 s+arts(東京)
2020 「YOKAI NEIGHBORS」 AG Gallery(ニューヨーク)
「カオス*ラウンジXI キャラクターオルガナイズ」 ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ(東京)
2019 「amrta」 s+arts (東京)
2018 「カオス*ラウンジX」 中央本線画廊(東京)
2017 「カオス*ラウンジ新芸術祭2017 市街劇『百五〇年の孤独』」 いわき市泉(福島)
「Shonandai MY Gallery 開廊10周年記念展」 Shonandai Gallery(東京)
「BOYS LOVE -花- 」 野方の空白(東京)
2016 「Debris*Lounge」 ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ(東京)
「MY WAY 2016」 Shonandai MY Gallery(東京)
「BOYS LOVE」 新宿眼科画廊(東京) 
2015 「TRIPS ARE TRIPS GIRLS ARE GIRLS」 TAV GALLERY(東京) 
2014 「キャラクラッシュ!」 カオス*ラウンジアトリエ(東京)
「Roppongi α Art Week」 Shonandai MY Gallery(東京) 
2013 「カオス*ラウンジV」 ビリケンギャラリー(東京) 
2012 「立ち会うわたし 立ち会われるわたし」 ターナーギャラリー(東京)

アートフェア
2015 YOUNG ART TAIPEI (台湾)/ 出品:Shonandai Gallery
2014 YOUNG ART TAIPEI (台湾)/ 出品:Shonandai Gallery