Room 1【Ryoichi Hiratsuka solo exhibition】
平塚良一 " avant / arrière “
2021.4.2(Fri) - 4.11(Sun) 会期中無休
12:00 - 19:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)

*レセプションパーティーはございません。
*今後も急遽展示日程の変更等がある場合がございます。ホームページやSNSをご確認の上、ご来廊下さいますようお願い申し上げます。

“ sans titre 2020 s+31 “ 和紙に墨液 72.8×51.5cm 2020

s+arts(スプラスアーツ)より、平塚良一 個展「avant / arrière」の開催をお知らせいたします。
平塚良一は、独自の視点で見出された素材を用い、「現実を考える姿勢」について長年追求している作家だと言えます。彼のアプロー チ方法はとても抽象的ですが、そこに含まれる意思は哲学的で、本質とは何か?としきりに問いかけてくるようです。近年の作品といえば、パネルに落ち葉を接着し、その上に和紙を載せて輪郭や葉脈を黒く写し取るフロッタージュシリーズ、鮮やかな色彩をフロッター ジュの数ミリのずれに加えるシリーズ、規則的に小さなドットを配置したシリーズ、人型をした小さなフィギュアを配置した「開かれた孤独」シリーズ、墨を使ったシリーズ等、表現方法は多岐に渡り、平塚が常に新しい表現方法を探っていることが分かります。

「絵画は、支持体に色を接着したり、削り取ったりすることで出来ている。」と平塚は捉えます。このような発想に至るのは、1960年代末から1970年代にかけて絵画に関する根本的な問題提起をおこなったことで知られているフランスの「シュポール/シュルファス」 の理論を引き継いでいるからだと言えるでしょう。当時フランスに留学していた平塚は、絵画的なイメージを問題とするのではなく、絵 画が現実空間の中での物体であることを顕在化しようとしたこの美術運動を目の当たりにし、大きな影響を受けました。「表面と支持 体」という言葉が、平面作品を構造的に理解させたと平塚は語ります。

本展示タイトルの「avant / arrière」とは、フランス語で「表 / 裏」という意を表します。今回は、主に墨液を和紙の裏側から表側へ滲 み出させる技法で制作された新作の発表をいたします。一度墨液が乾くと、そこからのコントロールは出来ず、例えば陶芸家が粘土と 火炎に託すように墨液と和紙に制作を委託したことになると平塚は考えます。ただ、ここで注目したいのは、和紙の表、裏、更には支持 体にまで墨液の痕跡が滲み出ている点です。墨を使用することによって現れる予想外の痕跡を、空間に存在する現実として受け止め、 表裏問わず手を加えて作品が生まれてくるのです。

自然現象なのか、記憶の中に残された風景なのか、そこへ様々な方法で手を加えることにより、自身が存在している痕跡を残して行く のが、平塚良一の制作への姿勢だと言えるでしょう。様々な素材を扱う技術に長けている平塚が、偶発的に発生する自然の不思議に 対し、作品制作を通じて模索いたします。新作の他、これまで未発表だった作品も本展にてご紹介いたします。
これを機に是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。


平塚 良一 Ryoichi Hiratsuka

1947 埼玉県生まれ
1970 日本大学理工学部工業化学科卒業
1975 パリ国立美術学校絵画科ディプロム取得

個展
2021, 19 s+arts (六本木/東京)
2020, 18, 16, 14,12 ギャラリー檜B・C (京橋/東京)
2020, 17, 15, 13, 11, 08, 07, 05, 03, 98, 95 ぎゃらりー由芽 (三鷹市/東京)
2019, 17 不二画廊houryuji (斑鳩町/奈良)
2017 Shonandai Gallery (六本木/東京)
2015, 2013 不二画廊 (船場/大阪)
2013 櫟画廊 (銀座/東京)
2011 日仏会館 (恵比寿/東京)
2009 関口美術館 (西葛西/東京)
   ブルースペース コンテンポラリー アートセンター (ホーチミン市/ヴェトナム)
2008 村松画廊 (京橋/東京)
2007 ギャルリー ヴェルジェ (相模原市古淵/神奈川県)
2006 村松画廊 (京橋/東京)
2004 マリンギャラリー (佂山市海雲台区/韓国)
1993, 91, 89, 87, 86, 85, 84, 82, 81 銀座スルガ台画廊 (銀座/東京)

グループ展
2019, 17, 13, 11, 09, 08, 06, 05 CAF.N展 (埼玉県立近代美術館)
2019, 17 シリウス展 (ギャラリー暁,O美術館 / 東京)
2018 Affordable Art Fair Brussels (ベルギー) / 出展: Shonandai Gallery
2015 東京の島々を結ぶ 第五回アートアイランズTOKYO2015 (旧波浮小学校/伊豆大島)
2013 Between space and times (gallery IDM/ 佂山 )
2007 BRIDGE展 (AKKO ART GALLERY/バンコク)
2006 サロン デ レアリテ ヌーベル 出品 (パリ)
2004 第四回C.A.T.展 (グリーンホール相模大野/相模原市)
   「眼差しの東洋・手の記憶」-沖縄からの発信- (楚洲小中学校/国頭村)
   Contemporary Art from JAPAN(ハフナーボルグ美術館/アイスランド)
   モダンアート協会展 (東京都立美術館)
2003 「四人の日本人による絵画展」 (ブルースペース ギャラリー/ホーチミン市)
2003-01 グラン エ ジュンヌ ドウジュウルドウィ 出品 (パリ)
2002, 2000-1994 コンテンポラリー アート フェスティバル 出品 (埼玉県立近代美術館)
2000-1994 C.A.P.P.I.N.G展 (東京,佂山,蔚山,上海,横浜)
1992, 89-81 モダンアート協会展 (東京都立美術館)
1990-78 グラン エ ジュンヌ ドウジュウルドウィ 出品 (パリ)
1978 サロン コンパレゾン 出品(パリ)
1978-77 サロン デ レアリテ ヌーベル 出品 (パリ)