All Room
【 Hideaki Yamamoto solo exhibition】
山本秀明 " Emotion “
2022.3.4(Fri) - 3.20(Sun) 火曜休廊
12:00 - 19:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)

*レセプションパーティーはございません。

“ Emotion “ 60×60×4cm 松、松ヤニ、ベンガラ、カシュー

s+arts(スプラスアーツ)より、山本秀明  個展「Emotion」の開催をご案内申し上げます。

「自分自身の地層を作る。」と語る山本秀明は、豊かな自然の中で木と対峙しながら作品を制作している作家です。独自の手法により形成される作品は、観る者が吸い込まれるようなその存在感で多くの人々を魅了し、これまでに約15カ国の個人や企業に作品が渡る実績を持ち、国内外で高い評価を得ています。

山本の作品の特異性は、無垢の木塊を彫り削るのではなく、3 ~ 4cm角の松の角材を接着して積み重ね、面を作るところから始まります。それをユニットにしてラフな形を立ち上げ、表面をチェーンソーや丸鋸で削り出していきます。数え切れないほどの線を刻んだ後、松の樹脂や柿のタンニン等を用い、昔から日本で使われる手法で木を保護します。綿密に計算した上で構築されていく角材の束が、熟練された技術と研ぎ澄まされた感覚により削られ、新しい形が生まれてくるその様は、荒々しさと繊細さが混じり合い、大変美しい過程だと言えるでしょう

幼少期から地層に興味を持ち、縄文土器、化石等の発掘や、断層のでき方をずっと眺めては過去の物や事に思いを馳せる時を過ごしてきた山本は、木を素材として作品創りを始めた時、その頃の感覚が原点となって影響し、形となって現れてきたと言います。歴史や時間、生命感を強く感じたことから、角材を積み重ね、質感を出すために丹念に削ることで地層を連想させ、降り積もる時間の経過を表現しているのです。

本展「Emotion」では、“可能性への揺さぶり”に焦点を当て、新たな色彩や技法を取り入れた作品を発表いたします。

「ちょっと前になるが、若者は事あるごとに“エモい”という言葉を使っていた。エモいとはemotionalからきている言葉で、何とも言い表せない素敵な気持ち、心の素敵な揺れということだそうだ。今回の個展のタイトル“Emotion”は、これを使った花言葉ならぬ色言葉でもある。私は元々絵描きだったこともあり、色彩は大好きだ。今までの作品は、どちらかというと色は少なく抑えていた。今回はカシュ―という、日本の伝統的“うるし”由来の素材で鑑賞者の心を激しく揺らしてみたい。」--- 山本秀明

また、これまで独自に制作を続けてきた山本が、鑑賞者とのコラボレーションという形のコミュニケーションを取り入れた作品も今回展示いたします。第三者の意見を少し取り入れることで、作家自身も想像していなかったような作品が生まれてきたようです。

言葉や素材、工具の使い方を含め、山本は意識的に自身の表現の可能性を揺さぶり、新しいことへの挑戦を続けてまいりました。本展では、制作過程から鑑賞者との関わり方まで、今までとは異なる方法を取り入れることで、様々な意味で幅のあるものが得られたと山本は話します。これは、自身の軸となるスタイルを保ちながらも、人の生き方の柔軟性や軽やかさを受け入れることができるからこそ、続けられる挑戦なのかもしれません。

これを機に、山本秀明の新作展を是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。


山本 秀明 Hideaki Yamamoto
1950 北海道松前生まれ
1975 横浜国立大学美術科卒業

個展(抜粋)
2022 「Emotion」 s+arts(東京)
2021 「幸福と輪廻」 s+arts(東京)
2020 「Eternity」s+arts(東京)
2019 s+arts(東京)
2016 ART STAGE Singapore(シンガポール)
2015 ART STAGE Singapore(シンガポール)
2015 ‘14 ‘12’10’09 ‘08 Shonandai MY Gallery(東京)
2009 ‘06 Gallery Amano(山梨)
2009 ‘06 ギャラリー舫(東京)
2008 ‘07 ‘05 ‘04 ‘03 ‘01 ‘97 スペース行樹(神奈川)
2007 ‘03 ‘02 ‘99 ‘98 ‘97 ‘96 かねこ・あーとギャラリー(東京)
2006 かわさきIBM市民文化ギャラリー(神奈川)
2005 ギャラリーヒラワタ(神奈川)
2000 ギャラリー大黒屋 黒磯(栃木)

グループ展(抜粋)
2019  Bistro J_O (東京)
2018 「MY ap.pr」Shonandai Gallery(東京)
「非日常的ドローイング展 Part.1」Shonandai Gallery(東京)
2017 ‘15 ‘13 「MY ap.pr」Shonandai MY Gallery(東京)
2006 ‘05 SHIBUSE(上海、中国)
2004 第8回 KAJIMA 彫刻コンクール(東京、大阪)
2003 現代日本彫刻展(山口)
2000 倉敷まちかどの彫刻展(岡山)
現代日本美術展(東京)
1999 ‘97 すどう美術館(東京)

アートフェア
2019 Affordable Art Fair Hong Kong(香港) アートフェア東京(東京)
2018 Affordable Art Fair Brussels(ブリュッセル)
Affordable Art Fair Hong Kong(香港)
2017 Affordable Art Fair Brussels(ブリュッセル)
Affordable Art Fair Singapore Spring (シンガポール)
Affordable Art Fair Hong Kong(香港)
Art Expo Malaysia Plus 2017(マレーシア)
Affordable Art Fair Singapore Autumn(シンガポール)
Art Kaohsiung(台湾、高雄)
2016 Art Stage Singapore(シンガポール)
Affordable Art Fair Singapore(シンガポール)
Art Stage Jakartar(ジャカルタ)
Affordable Art Fair NYC(ニューヨーク)
Art Kaohsiung(台湾、高雄)
2015 Art Stage Singapore(シンガポール)
Affordable Art Fair Singapore(シンガポール)
YIA Art Fair(パリ)
ART MONACO(モナコ)
Art Kaohsiung(台湾、高雄)
2014 Off Art Fair(ブリュッセル)
Asia Contemorary Art Show(香港)
Art Taipei (台湾、台北)
Art Kaohsiung(台湾、高雄)
2013 Off Art Fair (ブリュッセル)
Art Kaohsiung(台湾、高雄)
Art Taipei (台湾、台北)
2012 New City Art Fair(ニューヨーク)
Hong Kong Contemporary(香港)
2011 India Art Summit(インド)
KIAF(韓国)
2010 kunStart(イタリア)
Art Singapore(シンガポール)
2009 kunStart(イタリア)
India Art Summit(インド)
2008 Art Taipei(台北)
Art Singapore(シンガポール)
2005, ’06, ‘07 KIAF(韓国)

パブリックコレクション
INAKAYA SKY DINING LTD(香港)
塚崎整形クリニック(長崎)
公立阿伎留病院(東京)
叙々苑(東京) 
上海文化基金会(上海、中国)