Room 2
【 Ayano Mori / Saki Makita two person exhibition 】
“ blue in heaps “ 森綾乃 / 牧田紗季
2022.3.25(Fri) - 4.3(Sun)  会期中無休
12:00 - 19:00
*最終日17:00まで / The last day until 17:00
*レセプションパーティーはございません。

森綾乃(上):“ ホノサ、り “ mixed media 30×30cm 2022(部分)
牧田紗季(下):“ まどろみの境界 “ 雲肌麻紙に岩絵の具、水干絵の具 33.3×45.5cm 2022(部分)

s+arts(スプラスアーツ)より、森綾乃と牧田紗季による二人展「blue in heaps」の開催をお知らせいたします。
素材も技法も全く異なる両者の作品に共通しているのは、“層”という要素だと考えました。本展タイトルは、夢の中の奥深くに迷い込むような浮遊感と、木々や山々の重なりや、その背景の空というイメージを共有しています。

森綾乃は、布をレイヤー状に何層にも重ねては絵描くことを繰り返して作品を形成します。「空間に心惹かれ、追いかけています。」と語る彼女は、画面に広がる空間の奥深くまで潜り込み、偶然と必然の狭間に揺れるものをそっとすくいとるようにして、理屈やことばでは言い表せないありのままの表現を描き留めます。「のびやかにだらしなく」と自身の作品を例える森は、空間の何気ない気配と向き合う時間を大切にすることで、作品自身が主張するのではなく、鑑賞者が何かを感じられるような、良い意味で向き合わない絵画を目指しています。一見白い布でシンプルに見える彼女の作品には、何ものにも媚びない自由な空間が広がるような奥深さと何気ない気配を感じられるきっかけが散りばめられているようです。

牧田紗季は、現実の世界で生活することによって生じた心の澱(よどみ)を絵画に昇華させたいという想いから、重力から解放された夢 の中のような浮遊感のある情景を、日本画の技法を用いて描きます。過去の記憶、夢の世界といった「ここではないどこか」を切望する気持ちは、ある種の現実逃避願望の現れになっているとも言えるでしょう。夢のような世界への憧れを作品に織り交ぜながら、現実で生じた負の感情を形にするようにして作品を制作しています。本展について、「幾重にも重なる層の奥深くに迷い込み、遠くの空を見 上げる情景は、私が描いてきた夢の中の世界や心の奥底のさまと重なります。過去の情景や夢の世界に憧れながらも、身体は現実の 世界から離れることはできず、さまよい歩く。しかし、見上げた空に光が感じられることを望みます。」と語る牧田の作品は、日本画の 落ち着きのある色味と質感により、美しく、どこか希望を求めるようにも見受けられます。

ゆっくりと浸るようにして各々の作品の世界を堪能できる展示となりました。
これを機に是非お楽しみくださいますようお願い申し上げます。


森 綾乃 Ayano Mori

1990 大阪府生まれ
2012 大阪芸術大学芸術学部美術学科油画コース 卒業
2014 多摩美術大学大学院博士前期課程 美術研究科油画専攻 修了

個展
2018 森綾乃展「結び」Lights Gallery(名古屋)
2017 森綾乃展「はさぶらん」ギャラリー風(大阪)
2016 森綾乃展「絡まりあえば」ギャラリー風(大阪)
森綾乃展「温感」ギャルリー東京ユマニテbis(東京)
2015 森綾乃展「呼応するとき」ギャラリー風(大阪)
2014 森綾乃展「解放される場所」ギャルリー東京ユマニテbis(東京)

展覧会
2022 「blue in heaps」( s+arts / 東京)
2021 「未生空間Ism 宝塚展」(宝塚市立文化芸術センターサブギャラリー/ 宝塚)
「s+arts summer exhibition」( s+arts / 東京)
ART OSAKA 2021( 大阪市中央公会堂 / 大阪)
ART NAGOYA 2021 ( 名古屋観光ホテル/ 名古屋)
2020 未生空間Ism 宝塚展 ( 宝塚市立文化芸術センターサブギャラリー/ 宝塚)
3persons Exhibition (KAZE ART PLANNING/ 大阪)
森綾乃× 松島康貴 2 人展「A∩B (Lights Gallery/ 名古屋)
ART NAGOYA 2020 ( ホテルナゴヤキャッスル/ 名古屋)
2019 ART FAIR ASIA FUKUOKA 2019 ( ホテルオークラ福岡/ 福岡)
未生空間Ism 東京展 ( オリエアートギャラリー/ 東京)
ART FORMOSA 2019 (eslite hotel/ 台北/ 台湾)
未生空間Ism ( ギャラリー風/ 大阪)
白を愉しむ2 人展- 高田光治× 森綾乃 ( あべのハルカス近鉄本店アートギャラリー/ 大阪)
ART in PARK HOTEL TOKYO 2019 ( パークホテル東京/ 東京)
2018 2persons Exhibition 森綾乃× 大塚孝太郎( ギャラリー風/ 大阪)
ART FORMOSA2018 (eslite hotel/ 台北/ 台湾)
ART OSAKA2018 ( ホテルグランヴィア大阪/ 大阪)
2017 KIAF 2017 /ART SEOUL (COEX/ ソウル/ 韓国)
Independent TOKYO 2017 ( 浅草ヒューリックホール/ 東京)
ART OSAKA2017( ホテルグランヴィア大阪/ 大阪)
第5 回カロンズ大賞展( ギャラリー風/ 大阪)
2016 「WILL」(Shonandai MY Gallery/ 東京)
ART OSAKA2016 ( ホテルグランヴィア大阪/ 大阪)
第4 回カロンズ大賞展( ギャラリー風/ 大阪)
2015 ART OSAKA2015( ホテルグランヴィア大阪/ 大阪)
VOCA 展2015- 現代美術の展望- 新しい平面の作家たち- ( 上野の森美術館/ 東京)
2014 サムホールコミュニケーション展( ギャラリーQ/ 東京)
2012 「Expected Artists 2012」(Shonandai MY Gallery/ 東京)

その他
2020 FOLK FOLK クリエイターズワーケーション( 三重県伊勢市)
2017 Independent TOKYO 2017 ( 山本美知子賞/Shonandai MY Gallery) ( 房彦文賞/G.Gallery)
2013 第28 回ホルべイン・スカラシップ奨学生

作品設置
アトールテラス鴨川( 京都)/ 翔風館( 愛知)


牧田 紗季 Saki Makita
1990 鹿児島県生まれ
2013 京都精華大学 芸術学部 造形学科 日本画コース 卒業
2015 多摩美術大学大学院 修士課程 絵画専攻 日本画領域 修了

個展
2020 「こころの奥には何がある」s+arts(東京)
2016 「つめたいまどろみ」 画廊・珈琲Zaroff(東京)
2015 「白昼夢と投身」 アートスペース88(東京)
「耳鳴りの間(東京)」 ギャラリー椿(東京)
「耳鳴りの間(大阪)」 アートスペース亜蛮人(大阪)

主なグループ展
2022 「blue in heaps」 s+arts(東京)
2021 「かさなる波紋」 s+arts(東京)
2020 「アートのチカラ」 伊勢丹新宿店(東京)
「山本冬彦が選ぶ若手作家小品展Ⅵ」 枝香庵(東京)
2019 「思い思いのプロフィール」 artTruth(東京)
「KENZAN2019」 新宿パークタワー(東京)
「素材と内面」 s+arts(東京)
2018 「式日」 ギャラリー子の星(東京)
「Roppongi α Art Week」 Shonandai Gallery(東京)
2017 「羅針盤セレクション」 アートスペース羅針盤(東京)
2016 「spring show」 ギャラリー椿(東京)
2015 Rieko Honma Photo Exhibition「Sink Into The Dream」 ゲスト出展 / gallery NIW(東京)
2014 「Octet-2014 多摩美術大学大学院 日本画専攻2 年生展-」 佐藤美術館(東京)
「欲望少女」 デザインフェスタギャラリー(東京)
「狂気乱舞」 アートコンプレックスセンター(東京)
2013 HOTサンダルプロジェクト「2013未来の収穫祭」 丸亀市生涯学習センター(香川)
「2013 ユニグラバス小品展」ギャラリーUG(東京)