Room 1【 Yoko Sato solo exhibition 】
さとう陽子 “ 空空 “
2023.2.10(Fri) - 2.19(Sun)  会期中無休
12:00-19:00
*最終日17:00まで / The last day until 17:00

*レセプションパーティーはございません。

“ 空空 “ oil, oil pastel, pencil on canvas 65×53cm 2023

s+arts (スプラスアーツ)より、さとう陽子 個展「空空」の開催をお知らせいたします。

さとう陽子は、絵画、写真、詩、パフォーマンス等の多様な表現活動を通して世界との向き合い方を問い続けている作家です。
各ジャンルの表現を合わせることはせずに、独立した自身の表現方法として成立させ、制作を続けています。その他、学校や高齢者施設などで身体感覚から作品をつくるワークショップ等も行い、精力的に自身の表現の場を広げています。

s+artsでは、視覚だけでなく、音、味、匂い、触感などの五感を使って制作することで、「いまここに生きている作品にしていく」と話すさとう陽子の絵画表現としての新作展を発表いたします。

油彩、パステル、鉛筆、メディウム等を用いて制作するさとうは、近年、作品の細部に気を使いながらも俯瞰するように、脱力した[穴]や[破れ]のような減算の要素を画面に入れることで、独自の時空間を表現することを追求するようになりました。

これまでは、その時の想いを幾度もキャンバスに重ねることで形を現し、画面を埋めていくように、主に厚塗りの強弱をつける方法で作品表現を続けてきましたが、ここ数年は、より軽やかに、自身の求める絵画を研ぎ澄まされた感覚を持って表現するようになってきたように見受けられます。

本展タイトル「空空」は、「そら」「むな」「から」、、、或いはその組み合わせなど、読む側の捉え方に任せています。

さとうは、しばしば自身の考える造語を展覧会や作品タイトルに用いることがありますが、受け取る側に託された解釈により意味合いが変化するような、彼女らしい詩的な要素を含んだ言葉の表現だと言えるでしょう。

「空空」を生きる
「空空」1: 7人掛けの長椅子に座る全員がスマートフォンをいじっている。
「空空」2: だから 目の前の手話をする人たちの指の繊細さに気づかない。
「空空」3: U国を考えるのに、F県、H島、M国、A国等のことが遠くなる。
「空空」4: いやいや国内にも多くの問題が、と言うだけで自分の日常は変えない。
「空空」5: 結局本当のことは当事者にしかわからない。そしていざ自分が当事者になれば周囲が遠ざかる。

私たちは「空空」を生きている。
それでも当事者は示してくる。
「こんなことは自分だけにしてくれ。」「二度とくりかえすな。」と。
世界が病むことを許さない。
私は「空空」を惚(とぼ)けて生きることにした。惚けて生き延びる。
そうしてこっそりと伝えていく。世界はそれでもまだ彩られているということを。
--- さとう陽子

さとうは、作品を通して自身の考えに引き寄せるのではなく、どのように人に託せるように出来るか、という観点で制作をしています。作品そのものではなく、観る人に光が当たるような作品を目指しながら、彼女の想いをそっと吹き込むのです。

本展の作品からは、作家のより強い意思が垣間見られながらも、観賞者には、まるでそれを直接悟られないようにするかのような、少々素っ気ない態度で観る者を受け入れているような大変興味深い感覚を覚えます。これを機に、相反する意図が共存するさとう陽子の新作展を是非ご高覧ください。


さとう陽子 Yoko Sato
1958 東京生まれ
1981 日本大学芸術学部美術学科卒業

個展
2021, 20 s+arts(東京)
2020, 18, 16, 14, 12, 09, 07, 05, 01, 98, 96, 94, 93 ギャラリー檜(東京)
2019 s+arts(東京)
ノハコ(東京)

2018~12, 10~08 Shonandai MY Gallery (東京)(‘17よりShonandai Galleryに改名)
2012, 10, 08 Galleryジ・アース(神奈川)
2011 gallery 21yo-j(東京)
2011, 07 パーソナルギャラリー地中海(東京)
2009, 1997, 96 GalleryDEN.現代HEIGHTS(東京)
2008, 06, 04, 02, 00 湘南台画廊(神奈川)
2007, 1988, 87 ギャラリーQ(東京)
2003 トキ・アートスペース(東京)
2003, 1992,91,90,89,86 Gアートギャラリー(東京)
2000 かわさきIBM市民文化ギャラリー(神奈川)
1998 かねこ・あーとギャラリー(東京)

グループ展(抜粋)
2021 「瀧田亜子 & さとう陽子」ギャラリー古今(東京)
2018 「dialogue-絵画について」ギャラリー檜(東京)
2017  「Thoughts through Drawings-POINT」Gallery 惺SATORU(東京)
2015 「dialogue-Vol.Ⅲ さとう陽子×稲憲一郎」ギャラリー檜(東京)
「春韻展」Gallery 工房 親(東京)
2010 「カテゴリア〈視像のゆくえ〉展」ギャラリー檜(東京)
2008  「絵画にみるもの、絵画からみえてくるもの」
 練馬区立美術館・ギャラリー檜(東京)
2007 「Art on Life 生きることの美術」room 2330(東京)
2004 「日本・チェコ国際交流展 VISION」Galerie Kritiku(チェコ)
2003 「第18回平行芸術展〈あざやかの構造〉」小原流会館(東京)
「セレクション 2003」かねこ・あーとギャラリー(東京)
2001 「塩竃-ブルターニュ芸術交流プロジェクト」塩竃市(宮城)
2000 「平面の試み-2人の場合」かねこ・あーとギャラリー(東京)
1999 「4人の仕事」かねこ・あーとギャラリー(東京)
1998 「さとう陽子×大塚泰子展」Gallery DEN(東京)
「インナータイド」Imagination Factory OTTO(神奈川)
1995 「distance」ギャラリー檜(東京)
1994 「ENGELUS NOVUS」Garerie Gottfried Hafeman(ドイツ)

1992 「立ち上がるかたち」お茶の水画廊、淡路町画廊(東京)
1988 「現代美術ストリート」横浜市民ギャラリー(神奈川)

アートフェア
2019 Affordable Art Fair Hong Kong(香港/Hong Kong)
2015 Young International Artists Paris(フランス/France)
2011 インド アートフェア(インド/India)
2010 ART OSAKA(大阪/Japan)
2008 ART Singapore 2008(シンガポール/Singapore)
  アジアトップギャラリーホテルアートフェア(東京/Japan)
2007,06KIAF (韓国/Korea)

その他
 2013 短詩集「ペインとペイント」(自費出版)
 2003 ホルべインスカラシップ奨学生/Holbein Scholarship