Room 2

【 Tohko Malyama solo exhibition 】
丸山東子
2022.4.22(Fri) - 5.1(Sun)  会期中無休
12:00-19:00
*最終日17:00まで / The last day until 17:00

*レセプションパーティーはございません。

“ 息描 “ 麻紙に墨 45.5×33.3cm 2021

s+arts(スプラスアーツ)より、丸山東子による個展の開催をお知らせいたします。

水墨画教室主宰として様々なシーンで伝統的な手法から独自の手法まで水墨画を教える傍ら、墨と和紙とが織りなす何段階もの明度の風合いに魅せられ、自身のライフワークとしての作品制作を続けている丸山東子。旧来より続いている水墨画のありようや表現様式が現在の水墨画の概念や領域をも形成していることで、水墨画の可能性を閉じ込めていると考える丸山は、自身の絵画性の追求を通して、水墨画という概念で捉えられがちな様々な事項から離脱した自由な表現を、水墨画の技術を用いて追求している作家です。

白抜きを生かし、墨の濃淡と、筆の運びで見え方が変化するのが特徴的な丸山の作品は、重なり合う紙の白と墨が奥行きを表現し、コントラストの明確さやグラデーションの多様さを巧みに操ることで、大胆且つ動きのある様に仕上げられています。「描く」というよりも、「掘り出す」という表現の方が正しいようにも見受けられる丸山の手法は、彼女にとって墨や筆が、描くための素材ではなく、紙の白さを残し形体を探るために必要なツールのような存在であることを示唆しているかのようです。

水墨画表現の特徴として採り上げられるものの一つに、写意的表現ということがありますが、時にはエスキース的、クロッキー的な絵と感じられるものになりがちだと丸山は話します。現在の重層的、複合的な状態の表現に繋がることができたのは、水墨画を知る彼女だからこそ、実際の景物だけではなく、様々な現象の様相から自分なりに捉えた造形的表現にしてみたいという強い想いがあったからなのでしょう。

本展では、ライフワークとして描き続けている「息」シリーズを中心に、新作群を発表いたします。丸山東子の自由で、のびやかな作品群を是非お楽しみください。

<未現象の世界>
私たちが生存しているこの世界は、現象としての存在であるのだが、「息」シリーズではまだ現象化していないところの造形を自分なりの実感的見地から試みたものである。その探求の中で顕著になってきたことがいくつかある。
まず、表現様相としてはできるだけ物質感が出ないようにしてきている。“未現象化”を意識してのことであるが。
次に、画面構成としては、複層的(多層的)構造を設置している。時間的経過の表現にもつながるところであろうかと。
そして、グラデーションの多様性を表出してみた。強弱感、距離感などを、白黒の単色から多色的な表出で可能にできるかと。
また、多様な陰影、光と影、明瞭と不明瞭などの表出から、より多様な表現に発展できるのではないかと。--- 丸山東子


丸山 東子 Tohko Malyama

1943 サハリン(旧樺太)生まれ / 長野県飯山市で成長
1973 神奈川県公立中学校(国語科)教員として20年間在職(台北日本人学校に3年間)
1993 水墨画作家活動に入る(個展中心の活動)
1996 武蔵野美術短期大学美術科卒業
2003 水墨画教室「湖東会」発足 10月
2004 武蔵野美術大学 造形学部油絵学科 日本画コース卒業
2014 武蔵野美術大学校友会 山梨支部長就任(任期2年間)
2013 財団法人国際文化カレッジ主催の全国公募日美展「総合水墨画展」委嘱審査員就任(2018年11月まで)

個展
2022 s+arts(東京)
2019 s+arts(東京)
「両様の窓」ギャラリー宗(山梨)
2018 「両様の窓」ギャラリー宗(山梨)
Shonandai Gallery (東京)
2017 ギャラリー宗 (山梨)
Shonandai MY Gallery(東京)
2016 「両様の窓」ギャラリー英(山梨)
「両様の窓」ギャラリー宗(山梨)
Shonandai MY Gallery(東京)
2014 「両様の窓」ギャルリー志門 (東京)
2013 ギャラリー英 (山梨)
ギャラリーシュオン(山梨)
2010 「丸山東子水墨画展」ART BOX GALLERY (東京)
2008 ギャラリー英 (山梨)
ギャラリー白百合(東京)
Bell (山梨)
2006 ギャラリー82(長野)
2005 風の栖(山梨)
旭日丘ギャラリー(山梨)
2003 カフェギャラリーコスタ(山梨)
2002 野ばら(山梨)
ギャラリー旭日丘(山梨)
2001 大黒屋ギャラリー(東京)
1999 長野県飯山市市民会館(長野)
花の画房(神奈川)
1998 ギャラリー菊むら(東京)
野ばら(山梨)
1997 ギャラリー82(山梨)
野ばら(山梨)
妙香園画廊(愛知)
1996 集雅堂(東京)
1995 花おんぶ(神奈川)
越前屋画廊(長野)
1994 集雅堂(東京)

グループ展
2019 「虹彩会展」(山梨)
「ムサビ校友会山梨支部展」(山梨)
「第58回現水展(現代水墨画協会主催)」特別審査員/賛助出品
2018 「第12回墨・無限展」東京芸術劇場(東京)
「桜に集う展」ギャラリークルール (山梨)
2016 「第48回虹彩会展」('08第41回より出品)ギャラリー宗 (山梨)
「第4回 ムサビ山梨支部展」山梨県立図書館(山梨)
「2016富士山展-8th」ギャラリークルール (山梨)
「第18回 公募 東京陶族展」東京都美術館(東京)
六人展「色とかたち 美の追求」ギャラリー宗(山梨)
「第11回 墨・無限展」上野の森美術館 (東京)
2015 「第3回山梨支部展ムサビ展2015」山梨県立図書館 (山梨)
「MY ap.pr 2015」Shonandai MY Gallery (東京)
2014 「武蔵野美術大学山梨支部展」山梨県立図書館 (山梨)
「第9回湖東会水墨画展」富士吉田市市民会館 (山梨)
「第10回 墨・無限展」 銀座画廊・美術館 (東京)
「永遠の朋友展」せんだいメディアテーク・ギャラリー (仙台)
2013 「湖東会展」河口湖ショッピングセンター3F(山梨)
「武蔵野美大校友会 山梨支部展」 (山梨)
5人展「墨の無限を求めて」松下美術館6号館(鹿児島)
「墨技の発見」刊行記念展 田中八重洲画廊 (東京)
2012 「第9回 墨・無限展」東京銀座画廊(銀座、東京)
「具象画」ギャラリー楓樹 (東京)
「第13回戸狩ふれあいアート展」み寿゛かみ荘(長野)
2010 「第8回 墨・無限展」東京銀座画廊(銀座、東京)
「第11回戸狩ふれあいアート展」み寿゛かみ荘(長野)
「出版記念・花の世界」ギャラリー楓樹 (東京)
2008 企画展 ギャラリーしゅおん(山梨)
2007 「第2回 湖東会 水墨画展」 野ばら(山梨)
2002 「日米文化交流センター」(Los Angeles)
2001 「戸狩ふれあいアート展」(長野)毎年参加(2002年除く)

アートフェア
2016 Art Stage Jakarta(インドネシア)/ Shonandai Galleryより出品

出版
2013 水墨画の技法書「墨技の発見 花を描く 春・夏篇」 共著で発刊(日貿出版社)
2009 水墨画の技法書「水墨色紙 花の12ヶ月」発刊(日貿出版社)
2004 挿絵担当「奪われた命の重さ」山田清一郎著 郁朋社刊
挿絵担当 「ザ・一九四五」 中村富男著 郁朋社刊