Room 1【 Ryoichi Hiratsuka solo exhibition 】
平塚良一 “ avant / arrière ”
2023.4.7(Fri) - 4.16(Sun) 会期中無休
12:00-19:00
*最終日17:00まで / The last day until 17:00
*レセプションパーティーはございません。
s+arts(スプラスアーツ)より、平塚良一 個展「avant / arrière」の開 催をお 知らせいたします。
平塚良一は、独自の視点で見出された素材を用い、「現実を考える姿勢」について長年追求している作家だと言えます。彼のアプロー チ方法はとても抽象的ですが、そこに含まれる意思は哲学的で、本質とは何か?としきりに問いかけてくるようです。絵画としての表現方法は多岐に渡り、制作を通じて常に新しい表現方法を探っています。
「絵画は、支持体に色を接着したり、削り取ったりすることで出来ている。」と平塚は捉えます。このような発想に至るのは、アメリカでの「ミニマルアート」、西ドイツでの「フルクサス」、日本での「もの派」などを含め、特に1960年代末から1970年代にかけて絵画に関する根本的な問題提起をおこなったことで知られているフランスの「シュポール/シュルファス」の理論を引き継いでいるからだと言えるでしょう。当時フランスに留学していた平塚は、絵画的なイメージを問題とするのではなく、絵画が現実空間の中での物体であることを顕在化しようとしたこの美術運動を目の当たりにし、大きな影響を受けました。「表面と支持体」という言葉が、平面作品を構造的に理解させたと平塚は話します。
本展示タイトルの「avant / arrière」とは、フランス語で「表 / 裏」という意を表し、近年の平塚の制作スタイルに相応しい言葉だと言えるでしょう。今回は、墨液と顔彩を支持体と和紙の間に挟み込む技法で制作された新作の発表をいたします。和紙の表面に挟めた素材が滲み出るだけでなく、裏面や、更には支持体にもその痕跡が残ります。そして、一度墨液や顔彩が乾くと、そこからのコントロールは出来ず、例えば陶芸家が粘土と炎に託すように、墨液と顔彩に制作を委託したことになると平塚は考えます。予想外の痕跡を、空間に存在する現実として受け止め、表裏問わず様々な方法で手を加えることにより、作品が生まれてくるのです。そのようにして自身が存在している痕跡を残して行くのが、平塚良一の制作への姿勢だと言えるのかもしれません。
制作過程において偶発的に発生する自然の不思議に対し、自身が納得したお気に入りに出会うことがあります。自然現象なのか、記憶の中に残された風景なのか、それともDNAに残された先祖たちの幻想なのか...平塚自身にも答えは分かっていませんが、そういった作品に出会える喜びが、制作を続けている動機の一つだと言えることは確かです。
新作と旧作を交えて本展にてご紹介いたします。これを機に是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。
平塚 良一 Ryoichi Hiratsuka
1947 埼玉県生まれ
1970 日本大学理工学部工業化学科卒業
1975 パリ国立美術学校絵画科ディプロム取得
個展
2023, 21, 19 s+arts (六本木/東京)
2022, 20, 18, 16, 14,12 ギャラリー檜B・C (京橋/東京)
2022, 20, 17, 15, 13, 11, 08, 07, 05, 03, 98, 95 ぎゃらりー由芽 (三鷹市/東京)
2021 horyuji 不二画廊 (斑鳩町/奈良)
2019, 17 不二画廊houryuji (斑鳩町/奈良)
2017 Shonandai Gallery (六本木/東京)
2015, 2013 不二画廊 (船場/大阪)
2013 櫟画廊 (銀座/東京)
2011 日仏会館 (恵比寿/東京)
2009 関口美術館 (西葛西/東京)
ブルースペース コンテンポラリー アートセンター (ホーチミン市/ヴェトナム)
2008 村松画廊 (京橋/東京)
2007 ギャルリー ヴェルジェ (相模原市古淵/神奈川県)
2006 村松画廊 (京橋/東京)
2004 マリンギャラリー (釡山市海雲台区/韓国)
1993, 91, 89, 87, 86, 85, 84, 82, 81 銀座スルガ台画廊 (銀座/東京)
グループ展
2022 Affordable Art Fair Singapore (シンガポール) / 出展: s+arts Enconter now 平塚良一×前田精史(SPC Gallery / 東京)
2019, 17, 13, 11, 09, 08, 06, 05 CAF.N展 (埼玉県立近代美術館)
2019, 17 シリウス展 (ギャラリー暁,O美術館 / 東京)
2018 Affordable Art Fair Brussels (ベルギー) / 出展: Shonandai Gallery
2015 東京の島々を結ぶ 第五回アートアイランズTOKYO2015 (旧波浮小学校/伊豆大島)
2013 Between space and times (gallery IDM/ 釡山 )
2007 BRIDGE展 (AKKO ART GALLERY/バンコク)
2006 サロン デ レアリテ ヌーベル 出品 (パリ)
2004 第四回C.A.T.展 (グリーンホール相模大野/相模原市)
「眼差しの東洋・手の記憶」-沖縄からの発信- (楚洲小中学校/国頭村)
Contemporary Art from JAPAN (ハフナーボルグ美術館/アイスランド)モダンアート協会展 (東京都立美術館)
2003 「四人の日本人による絵画展」 (ブルースペース ギャラリー/ホーチミン市)
2003-01 グラン エ ジュンヌ ドウジュウルドウィ 出品 (パリ)
2002, 2000-1994 コンテンポラリー アート フェスティバル 出品 (埼玉県立近代美術館)
2000-1994 C.A.P.P.I.N.G展 (東京,釡山,蔚山,上海,横浜)
1992, 89-81 モダンアート協会展 (東京都立美術館)
1990-78 グラン エ ジュンヌ ドウジュウルドウィ 出品 (パリ)
1978 サロン コンパレゾン 出品(パリ)
1978-77 サロン デ レアリテ ヌーベル 出品 (パリ)