Room 1
【 Masaaki Ohya solo exhibition 】
大矢雅章 " Correspondances "
2023.10.27(Fri) - 11.11(Sat)
Close : 日・月・火曜 / Sun, Mon, Tue

*レセプションパーティーはございません。

“ Correspondances “ 銅版画 / メゾチント、エッチング、ドライポイント 20×15cm 2023(部分)

s+arts(スプラスアーツ)より、大矢雅章 個展「Correspondances」の開催をお知らせいたします。

酸により銅を変化させて作り出す腐蝕銅版画(エッチング)を主に、身近に起こる自然現象の中に見える生命の「生々流転」をテーマ として表現している大矢雅章。現在は、多摩美術大学絵画学科版画専攻准教授として教鞭を執りながら、アジア、ヨーロッパをはじめ 世界各国の展覧会に参加し、精力的に制作を続けている作家です。

s+artsでは4年ぶりの個展となる本展タイトル「Correspondances」とは、フランス語で照応を表す言葉です。「私は自然と人間、 人間の中での理性と感性があるように、言葉の壁を乗り越え、宇宙の中では、多くの個性が共感し、その世界を構成していると信じて います。イメージの源泉となった植物を通じて得られた共感は、空間を超え交感している照応(Correspondances:コレスポンダン ス)の世界を私にイメージさせてくれました。」と語る大矢の本シリーズ作品は、植物の種が発する有機的なエネルギーを感じさせな がらも、惑星が浮かぶ宇宙空間が描かれているような、不思議な印象を受けます。ミクロとマクロの両方の感覚を兼ね備えた作品群 からは、大矢が表現する生命の力を感じることが出来ることでしょう。

Correspondancesシリーズの他、いつも慣れ親しんでいる庭に咲く多種多様な草花をモチーフの根源として、自身のテーマである生 命の生々流転を探求している「The Days View-Life force Series」も発表いたします。小さな庭に、競うように咲いては散る沢山の 草花が作り出す景色は決して留まることがなく、常に変化しています。大矢にとって、それぞれの植物の持つ形や生の力の息吹、その全 ては、魅力的であり、その先にある生命の神秘を考える糸口になっているのです。

大矢が軸としている技法、腐蝕銅版画(エッチング)は、ニスを引いた銅に描画し、何時間も酸の中で腐蝕させた版を刷り取ることで、 物質感を持った表現として紙の上に印刷されます。その時の気温により腐蝕の進み具合は変化し、長年版画と向き合い磨き抜かれた 作家の技術を以ってしても、完全にコントロールすることは出来ません。そのような中で大矢は自身の技法について「腐蝕液の中で起 こる銅版の変化は、いつも不確定で自然現象に似ています。そのような表現方法は、人知の及ばない自然現象を表現することに適してい るように感じています。」と話します。

本展では、銅版画の他にリトグラフやオブジェ等、異なる表現方法も含め、約20点の作品により展覧会を構成いたします。 これを機に、大矢雅章の拘りの詰まった新作群を、是非ご高覧ください。


大矢 雅章 Masaaki Ohya

1972 神奈川県生まれ
1996 多摩美術大学絵画学科版画専攻卒業
1998 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程絵画専攻修了
2002 文化庁新進芸術家インターンシップ研修員として加納光於に師事(~'03)
2007 国際ロータリークラブG.S.E研究交換派遣メンバーとして渡伯
2008 文化庁新進芸術家海外留学制度在外研修員としてフランス滞在(~'09)
2016 多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了、博士号取得
   日本版画協会会員、日本美術家連盟会員、版画学会会員、多摩美術大学准教授

主な個展
2023「Correspondances」s+arts(東京)
2019 「View-Life force」 s+arts(東京)
2018 Gallery Space M(群馬) '16/'13/'11/'09/'07/'05/'03/'01/1998
2017 Shonandai MY Gallery (東京) '16/'14/'12/ʼ10
2016 Theca Gallery(Milano/Italy) '14
   養清堂画廊(東京) '13/'11/'10/'08/'06/'04/'01
2011 すどう美術館(神奈川) 1999(東京)
2006 湘南台画廊(神奈川) '03/'01

グループ展
2021 The Collection Basil Alkazzi's Gift to the National Museum in Gdańsk / National Museum Gdańsk /Poland
2020 Bird`s Eye View / Arad Art Museum Complex / Romania
2017 Shonandai Gallery 30th Anniversary Exhibition / 湘南台画廊 / 神奈川
   Contemporary Japanese Printmaking Art 50 Artists Gliptoteka Museum Zagreb / Croatia
   第61回CWAJ現代版画展 東京
   Tokyo International Mini Print Triennial in Sapporo
2016 Vie du Pacifique II Pacific Perimeter Print Exchange / Australia
   Japan-China Contemporary Print Exchanges Exhibition - 2016 Shenzhen Exhibition "Chinese Printmuseum / China
2015 “AuRevoir” Theca Gallery Milano / Italy
2013 25x25 : Contemporary Japanese & Australian Printmaking Japan Foundation Gallery Sydney / Australia
2011 "50" Contemporary Japanese Prints The Tikotin Museum of Japanese Art Haifa / ISRAEL
2010 版・印ー日本版画テーマ展 国立台湾美術館 台中 / 台湾
   Tribuna Garapics 2010 International Graphic Art Exhibition Museum of Art Cluj-Napoca Cluj / Romania
2005 現代版画の潮流展 町田市立国際版画美術館
2003 あるサラリーマンのコレクションの軌跡~戦後日本美術の場所~ 福井県立美術館
2001 第35回現代美術選抜展 今治市河野美術館
他多数