s+arts Room 1【Makiko Yuasa solo exhibition】

湯浅万貴子 " 静かな荒野 "

2020.6.3(Wed) - 6.7(Sun) 会期中無休
12:00 - 19:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)

*レセプションパーティーはございません。
*今後も急遽展示日程の変更等がある場合がございます。ホームページやSNSをご確認の上、ご来廊下さいますようお願い申し上げます。

【皆様に安心して展示をご覧いただくために】 
新型コロナウイルス感染拡大予防のため、ご来廊の際には次の事にご協力ください。
*マスクの着用と、入口に設置の消毒用除菌スプレーにて手指の消毒をされてから会場にお入りください。
*入店時に非接触の体温計にて体温測定させていただきますので、ご了承ください。
*他の方と十分な距離をとってご鑑賞ください。
*5名以上のグループでの来廊はお断りさせていただきます。また、混雑(5名以上が同時に展示スペースにいる場合等)が発生した場合は、お待ち頂くこともございますのでご了承ください。

ギャラリーでは、こまめな換気、スペースの清掃、スタッフの健康管理、うがい手洗い消毒、マスクの着用の徹底をいたします。

“ 予言する3人の魔女 ” アクリル絵具、黒箔、アルミ箔、玉虫箔、インク 1620×1300mm 2020

s+arts(スプラスアーツ)より、湯浅万貴子による個展「静かな荒野」の開催をお知らせいたします。

アクリル絵の具に純銀箔や色箔を用いて構成された背景に、人間の身体や木の根などのモチーフをデフォルメし、点描画で表現する 湯浅万貴子。彼女が描く身体的フォルムの美は、箔で無機質に作られた絵画空間と点の集合体で生み出されたモチーフが絶妙に交わることで、繊細さが引き立てられています。

湯浅は点描画の表現を「ただの陰影を着ける道具にしたくない」と言います。我々の身体を成り立たせている皮膚、血管、筋肉など、そ の中の細胞の集合体と点描で表現する点の集合体を重ね、一粒の点が群となり膨張することで現れる宇宙のような絵画空間との繋が りに強く惹かれているのです。また、一つ一つの点を自らの手で描き生み出すことにより、自身を新たに形成する宇宙を生み出してい るかのような感覚になると彼女は語ります。

また、湯浅にとって箔を使用することは「現実には存在し得ない亜空間を生み出すこと」と位置付けられています。記憶的な要素はな く、非現実的で出来るだけ無機質な空間を創ることにより、点描画のモチーフを際立たせることを目的としています。その中で、時の 経過と共に硫化を続ける箔の背景と、点描で描かれた身体との掛け合いの印象が変化するのを味わうことができるのも、彼女の作品 の特徴の一つだと言えるでしょう。無機質な空間をあえて変化させることにより、共に楽しみ、観る者の心情や外の世界に寄り添うこ との出来る作品を目指しています。

現代美術において、特に美の感性の曖昧さや、アンビバレンスを含む感情を近年更に強く抱くようになったという湯浅。時代は異なれど、彼女の頭に浮かぶのは、シェイクスピア作「マクベス」の第一幕、荒野に舞い降りた3人の魔女が残した「Fair is foul, Foul is fair (きれいは汚い、汚いはきれい)」という台詞です。相反する概念が並ぶ時に起きる意味合いの揺らぎや、今後への暗示を含むようなイ メージから、本展「静かな荒野」では、“境界線”をテーマにした新作の発表をいたします。

背景(箔)とモチーフ(物体)の境界。
自分と外界の境界。
時間の経過により取り残されていくものと普遍性があるものの境界。
境界を意識するには、あちらとこちらの境界「線」を引かないといけない。 - 湯浅万貴子

様々な境界線が曖昧になっている現代だからこそ、あえて「線」を意識した方法での制作に試みました。「マクベス」より影響を受けた 作品「予言する3人の魔女」や、これまでの作品には見られなかったようなビビッドな色彩を取り入れた作品も発表いたします。
6年ぶりとなる湯浅万貴子の個展を是非ご高覧下さいますようお願い申し上げます。


湯浅万貴子 Makiko Yuasa

1988 新潟県生まれ
東北生活文化大学家政学部生活美術学科中退

個展
2020 「静かな荒野」 s+arts (東京)
2014  湯浅万貴子展 Shonandai Gallery (東京)
2013  湯浅万貴子展 Ouchi Gallery (ニューヨーク)

グループ展
2019 「amṛta」 s+arts (東京)
2018 「せんだいアンデパンダン展」 Gallery TURNAROUND(宮城)
   「Composition」 Shonandai Gallery(東京)
2017 「Shonandai MYGallery10周年開廊記念展」 Shonandai Gallery(東京)
2016 「WILL展」 Shonandai Gallery(東京)
2014 「掘りごたつハリケーン展」The Artcomplex Center of Tokyo(東京)
  「MY duo展」 Shonandai MY Gallery(東京)
2012 「Roppongi αArt Week」 Shonandai MY Gallery(東京)
  「ART POINT Selection」 Gallery ART POINT(東京)
2011 「“petit”GEISAI#15 Point Ranking ふたり展」 Hidari Zingaro Gallery(東京)
   「100 Artists Group exhibiton」Ouchi gallery (ニューヨーク)

アートフェア
2015 「YOUNG ART TAIPEI」 (台湾)/ 出品:Shonandai Gallery
2012 ULTRA 005 (東京)/ 出展ディレクター:山本知青 (Shonandai Gallery)

アワード
2011 YOUNG ARTIST JAPAN vol.4 TOGBOAT Shonandai MY Gallery 山本美知子賞
   GEISAI #15来場者ポイントランキング第3位