All Room
【Kei Suzuki solo exhibition】
鈴木圭 “ hi there “
2022.6.24(Fri) - 7.6(Wed) 会期中無休
12:00 - 19:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)
*レセプションパーティーはございません。
s+arts(スプラスアーツ)より、鈴木圭 個展「hi there」の開催をお知らせいたします。
女性の抑圧と解放を表現している鈴木圭は、展示毎に独自の物語を作り、その中で繰り広げられる場面を作品に描きます。油絵に胡粉を混ぜることにより、時(歴史)が刻まれた壁画のような描写が特徴的な鈴木の作品は、暦の設定から登場人物の性格や背景等、細かい部分にまでこだわりが散りばめられ、様々な角度から現代社会に対する問題提起を内包しています。
本展「hi there」では、宇宙にある惑星を舞台に物語が繰り広げられます。1977年に実際にNASAから打ち上げられた宇宙探偵機ボイジャーのゴールデンレコードを引用し、地球から届いたボイスメッセージを受けて3人の女性が返事を出す、という内容で様々なシーンが作品に描かれます。
「4万年前の地球からボイスメッセージが届く。3人はそれぞれ返事を箱に入れて送り返す。地球から送られる公的な表象と、個人的なメッセージを対比する事で、自己と社会の関係と曖昧さを試みました。」--- 鈴木圭
ゴールデンレコードを地球外生命体が再生するためには、人間と同等の知識がないと全てを見ることが難しいという点から、今回物語の中に登場する人たちは、地球と双子のような惑星に住む生命体で、似た文化を持っていると鈴木は考えました。また、ボイジャーが太陽系外の惑星に辿り着くには4万年かかると言われており、恐らく現在のような形での人類は交わることは出来ません。それでも、壮大な目的を果たすために宇宙に放たれたメッセージは、時と場所を超えてそれを受け取った人たちと響き合い、共鳴する存在として、個々を支える希望にもなり得るかもしれません。
これまで女性の権利をコンセプトに作品を制作してきた鈴木ですが、今回は個人的な経験に基づいたものから発想を得て制作に取り組みました。きっかけは、自身の暮らす環境が変化したこと。最近引っ越しをした彼女は、生活基盤の労働条件が切実になり、非正規労働の問題を痛感いたしました。また、パンデミックに続き戦争など、ここ数年で社会情勢は劇的に変わり、日本でも人権や戦争に関わる法案が審議されている中、鈴木が制作のテーマとしている『自分とは何か』がとても瑣末な事の様に感じると言います。それでもなお、戦争で個人よりも大義が優先される事と、個人の問題は社会構造によって起こる事、これらは繋がっていると彼女は考え、制作を続けています。今回の展示では、個人の揺らぎを中心に、遠く離れた惑星で暮らす非正規労働の女性たちが自己を愛する権利について模索し、思い思いのメッセージを綴ります。
壮大な宇宙の背景を含めながらも、惑星に住む女性達に焦点を当てた作品群は、鈴木の考える社会と自己の関係にも繋がっていると言えるでしょう。これを機に、鈴木圭の新作群を是非ご高覧ください。
鈴木 圭 Kei Suzuki
1983 東京生まれ
2012 多摩美術大学造形表現学部造形学科卒業
個展
2022 「hi there」s+arts (東京)
2021 「共鳴するわたしたちの物語」 s+arts (東京)
2020 「港についての物語」 ASAGI ARTS(東京)
「透明なわたしたちの物語」 s+arts (東京)
2019 「A tale of Nyeaf」 s+arts(東京)
「A tale of Mrs Rui」 Itoya.k(東京)
2018 「The Rose Garden Apartment」 ASAGI ARTS(東京)
「A tale of Sayoko」 Shonandai Gallery(東京)
2017 「A tale of Laurel the phantom thief」 Itoya.k(東京)
「Tale of Papati」 Shonandai MY Gallery(東京)
2016 「Circus」 Kei Suzuki Shonandai MY Gallery(東京)
グループ展
2018 「束見本は夢をみる?」 PEPER VOICE TOKYO(東京)
2017 「Shounandai MY Gallery 開廊10周年記念展」Shonandai Gallery(東京)
「美しい言葉展」Gallery House MAYA(東京)
「第23回街かど美術館」大田原市街かど美術館(栃木)
「FAN!」 ASAGI ARTS GALLERY(東京)
「装画を描くコンペティションvol.16」 Gallery House MAYA(東京)
2016 「世界の何処かで」 REIJINSHA GALLARY(東京)
2015 「夜間実験」 アキバタマビ21(東京)
「真夏の美の夢」 耀画廊(東京)
「MY Way」 Shonandai MY Gallery(東京)
「ザ・チョイス展」 6次元(東京)
「next」 REIJINSHA GALLARY(東京)
2014 「GENOMICA3」 東邦アート(東京)
「New Year Selection」 Gallery Art Point(東京)
2013 「BIG WORKS,BIG WORLD Vol.1」 REIJINSHA GALLARY(東京)
2012 「Prologue VIII」 Gallery Art Point(東京)
「MY Harmonious Exhibit 2012」 Shonandai MY Gallery(東京)
2011 「千代田芸術祭 3331 アンデパンダン」 3331 Arts Chiyoda(東京)
「GENOMICA」 東邦アート(東京)
アートフェア
2019 ART TAIPEI (Taipei World Trade Center/台北)/ s+artsより出品
2018 Art Formosa (eslite hotel/台北) / Shonandai Galleryより出品
2017 ART KAOSIUNG 2017(ART CENTER/台湾高雄) / Shonandai Galleryより出品
Young Art Taipei 2017(Sheraton Grande Taipei /台北) / Shonandai Galleryより出品
受賞歴
2016 装画を描くコンペティションvol.16 準グランプリ
第14回 TIS公募 入選
第33回 ザ・チョイス 大賞
第11回 タグボートアワード 入選
ワンダーシード2016 入選
2015 ザ・チョイス いとう瞳さん審査 入選
2012 シェル美術賞2012 入選
多摩美術大学造形表現学部造形学科 卒業制作展優秀賞
2011 シェル美術賞2011 入選鈴