s+arts Room 2【“ floating fragments “ Namu Choi / Yasuhito Yuhara】
“ floating fragments “ ナム・チョイ / ゆはらやすひと
2020.3.6(Fri) - 3.15(Sun) 会期中無休
12:00 - 19:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)
Reception:2020.3.6(Fri) 18:00 - 20:00
s+arts(スプラスアーツ)より、ナム・チョイとゆはらやすひとによる二人展「floating fragments」の開催をお知らせいたします。
ナム・チョイは、主にアクリルや油彩を用い、独自の鮮やかな色彩と構図で見る者を惹きつけます。韓国で生まれ日本で暮らす移民と いう、社会のマイノリティーでもある自身の経験から、近年では「自己の居場所=家」という内面の世界を絵に表現しています。通常 「家」とは、心が休まり帰る場所の象徴として描かれることが多いですが、彼女にとっては「安息と幸福」と「不安、孤立、圧迫」とい う相反する2つの顔を同時に持つ空間であり、浮遊し、漂い、流れていくものとして描かれます。「ある場所で根を張り、枝を伸ばして はみるものの、それが真摯であるほどむしろ孤立し、空虚な空間に取り残されることがある。」と語るチョイの言葉からは、移民だか らこそ見える景色があることが伺えます。更に、情報インフラにより、いつでも誰とでも繋がれるようになった我々は、物理的な空間と の繋がりが弱まり、「どこにも根づくことのできない異邦人になっているのかもしれない」と、現代社会における他者との弱い繋がりの 中に漂う孤立の現れを、自身の「家」又はその変形である「島」に置き換え表現しています。
ゆはらやすひとは、主に陶土を使い、紐作りという技法を用いて架空の生き物の作陶や、様々な画材によるドローイングによって、人 の内面的な部分や我々を取り巻く様々な出来事を生き物の姿に投影して表現しています。一見可愛く親しみやすい姿をした作品には どれも、ある種の絶望感のような表情が垣間見られ、明るくも少し闇のある独特の世界観で見る者を誘惑します。ゆはら曰く、「私は いつも可愛いものと出会ったり、見たりした時、その背後にあるかもしれない物語をつい想像してしまいます。哀愁、虚無感、寂しさ、 悲しさ、そういったマイナスの感情が常にその可愛げな表情の目の向こう側に潜んでいるのではないかと。」日々出会う人々や世の中 の出来事など、他人が見ると「可愛いもの」のように目に映るかもしれません。しかし、その背景には、必ずしも楽しいことばかりでは なく、マイナスの感情が生まれるようなストーリーを誰もが経験しているのではないかという想いから、可愛い動物やキャラクター的 な生き物達の姿を借り、そこに少しの闇を忍ばせる形で作品を制作しています。
ナム・チョイとゆはらやすひとの作品からはどちらも、現代を生きる我々を取り巻くネガティブな要素や事実を作品に反映させながら も、力強さや優しさ等、ポジティブな印象を受けます。自身を取り巻く様々な要素をしっかりと受け入れることで、各人の持つ根源的な 価値観や、楽しさや希望を見出せるという想いが込められているからなのでしょう。 これを機に、是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。
ナム・チョイ Namu Choi
1978 韓国ソウル生まれ 現在日本東京在住
2004 国立ソウル大学大学院西洋画科版画専攻卒業
2001 国立ソウル大学美術大学西洋画科卒
個展
2018 「漂う家、根をはる家」Gallery Dam(ソウル、韓国)
2017 「家に帰る道」Gallery Dam(ソウル、韓国)
2009「秘密の森」Gallery Dam(ソウル、韓国)
「木(Trees)」 Shonandai MY Gallery(東京)
「昼、夜、そして虹-沖縄の秘密の森」Hun Gallery(ニューヨーク、USA)
2008 「森の交換プロジェクト」銀座芸術研究所(東京)
「彼らの住む森」Shonandai MY Gallery(東京)
2007 「虹の渓谷(The Rainbow Valley)」 Gallery NV(ソウル、韓国)
2006 「夕方のシャワー(The Evening Shower)」Gallery NV(ソウル、韓国)
「旅人のノート-人々」Gallery The Space(ソウル、韓国)
2005 「記憶の方法」湘南台画廊(神奈川)
「記憶の部屋-記憶交換プロジェクト」銀座芸術研究所(東京)
2004 「心の木を育てる(Grow a Tree Inside You)」アートスペースミウム(ソウル、韓国 )
2003 「第一回個展」Seizy Green Tea (cafe gallery)(ソウル、韓国)
グループ展
2019 「Da-Capo 2019」Gallery Dam(ソウル、韓国)
2018 「Da-Capo 2018」Gallery Dam(ソウル、韓国)
2017 「My Way2017」 Shonandai MY Gallery(東京)
「Art Expo Malaysia 2017」(クアラルンプール、マレーシア)出品:Shonandai Gallery
「Shonandai MY Gallery 開廊10周年記念展」 Shonandai Gallery (六本木)
2014 「My Way 2014」Shonandai MY Gallery(東京)
2012 「アート釡山」(釡山、韓国)
2010 「KIAF」COEX(ソウル、韓国)出品:Shonandai Gallery
2009 「アートシンガポール」シンガポール
「優しい88人展」 Keumsan Gallery(パジュヘイリアートビリジー、韓国)
「神戸アートマルシェ」クラウンプラザホテル(神戸)
「India Art Summit」(ニューデリー、インド)出品:Shonandai Gallery
「4人で引く展」 Gallery Dam(ソウル、韓国)
2008 「新印象展(若手アーティストコンペ)」Keunsan Gallery(パジュ、韓国)
「Asia Top Gallery Hotel Art Fair」(東京)
「シンガポールアートフェアー」(シンガポール)
「アート台北2008」(台北、台湾)
2007 「松隠美術大賞展」インサアートセンター(ソウル、韓国)
「Hello, Chelsea! 2007」PS 35 gallery(ニューヨーク、米国)
「KIAF」COEX(ソウル、韓国)出品:Shonandai Gallery
「Art Here Now」湘南台画廊(神奈川)
2006 「KIAF(Korea International Art Fair)」COEX(ソウル、韓国)出品:Shonandai Gallery
「漫画の行方」銀座芸術研究所(東京)
2005「国際コラージュコンペ」the gallery Kaire Design(ビリニウス、リトアニア)
「「United Buddy Bears Seoul Festival」オリンピックパーク(ソウル、韓国)
2004「版画交流展」東京藝術大学・国立ソウル大学(韓国)
2003 「国際版画トリエンナーレ」Contemporary Art Gallery (クラコブ、ポーランド)
受賞
2007 ギャラリーNV作家コンペ大賞、韓国
2007 松隠美術大賞、入選、韓国 2003 International Print Triennial-Krakow 2003、入選、ポーランド
2003 第14回美術世界大賞、特選、韓国
2003 第23回韓国版画家協会コンペ、特選、韓国
2002 第20回新世界コンペ、特選、韓国
2002 ダンウォンアートコンペ、入選、韓国
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ゆはら やすひと Yasuhito Yuhara
1987 千葉県長生郡長南町生まれ
2013 東京藝術大学美術学部工芸科陶芸専攻卒業
2015 同大学院美術教育修了
個展
2018 「ゆはらやすひと展-わたしとみんなとあなたと-」 The Artcomplex Center Tokyo(四ツ谷)
グループ展
2019 「カーテンの向こうは森のおく」ゆはらやすひと・高橋生也 二人展 BANK BED GALLERY(浅草)
2016 「認識するカタチ展」 桃林堂 青山店(表参道)