All Room
【Seiho Suzuki / Reishi Kusaka two person exhibition】
" boundary “ 鈴木聖峯 / 日下芝
2022.4.8(Fri) - 4.17(Sun) 会期中無休
12:00 - 19:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)

*レセプションパーティーはございません。

左:鈴木聖峯 “ DOUBLER STONES(二重石) ” 石膏、ジェッソ、水性顔料、水性ニス、洋紙 25×25cm 2022(部分)
右:日下芝 “hexagon#36w“ アクリル、アクリルメディウム、ホットメルト接着、パネル 40×40cm 2022(部分)

s+arts(スプラスアーツ)より、鈴木聖峯と日下芝による二人展「boundary」の開催をお知らせいたします。両者の作品はどちらも、その存在そのものが、各作家が追い求める対象との境界に位置づけられているように見受けられます。長年制作を続けている二人の作家による、大変興味深い展示となりました。

鈴木聖峯は、描くための絵画ではなく、現象を捕らえ重ねることで、場(絵画空間)を開く行為として制作している作家です。油彩、水彩、ニス、テラコッタ、鉛筆、漆喰、石膏、箔など、多様な素材を用いて描かれる自身の作品について鈴木は、自然の流れこむ器(場)/平面(空間性)と立体(実在性)の融合された場 / 深い精神性と物質その存在が持つ実在性が響き合い生み出される場 / 個と自然がより融合された場、などと表現しています。
「20代の始め、北海道で生活をするという機会を得、その頃、よく1人でアイヌの聖地と言われていた山の中を歩き回っていた。秋口のある日、木々に囲まれた細い山道を歩いていると、目の前に、そして私の周りに、1つの大きな意識体が広がり、私と対峙し、今、その実体がそこに在るという、強烈な体験をした。自然という多種多様なものの集合体が、1つの意識を持ち、私を見ているというような感覚だったと思う。それ以降、個としての私と、世界との境界、狭間は希薄で流動的なものになり、今も変化し続けている。その変化の中、私は、自身を見失わないために、ここから見える、触れている世界に形を与えるという行為を日々続けている。」--- 鈴木聖峯
絵画画面と身体的行為、それらを内包する物質と作家との関係性を探りながら制作を続けている鈴木の作品は、素材の他にも様々な要素が内包され、一見静粛な佇まいを持ちながらも、様々なエネルギーが内側で踊っているかのような不思議な印象を受けます。絵画空間と外部空間を共鳴させ同化させる役割を担い、長い時間をかけて絵画と真剣に向き合うことで鈴木の作品は生まれてくるのです。本展では、新しい試みとして、これまで絵画空間の広がりという観点から手掛けてこなかったスクエア(正方形)の作品も含めた作品群を展開いたします。

日下芝は、「空間の還元化」をコンセプトに、パネルやキャンバス、紙などの支持体に、幾層ものペイントを重ねることで描く対象を形成しています。実際にある風景や生物などを絵にするのではなく、絵の中の空間を実空間に戻す事を常日頃考えています。
「25年以上にわたり同じ制作過程を繰り返してきた。図形の型枠の中に絵具を地ベラで塗り水を散布することで絵具が滲む。塗られた図形が曖昧になるまでそれを繰り返す。暈した部分には滲みを繰り返した時間が見える形となり図形の周りに形態が見え隠れするようなる。それはイリュージョンとなり単純な絵画的な空間となる。何度も繰り返す根底には絵具で塗られていく部分が綿布に溶けていくそのような状態を最終的には表現したいのだと思う。私にとってその瞬間は絵具が光に変化する感覚である。」--- 日下芝

日下にとって制作とは、庭園様式の枯山水のように、比喩的思考で小石や砂利を水に見立てるような、図形を何かに見立て絵画空間を作りだす作業です。何かの対象を平面に描くのではなく図形を使い平面に形態を造型していく感覚だと彼は話します。そこには、図形の情景はあくまできっかけであって、その向こうに何かを見たいという日下の想いが込められています。情緒や感情に捉われない「純粋な空間」を表現することを追求し、どこにでもある日常空間を「芸術」と言われる形式の中に還元できるようにと作品制作に取り組んでいます。本展では、エアブラシを取り入れた方法で、形態の自由度を上げてより多くの表現を手にいれたと話す新作群の発表をいたします。

制作に用いられる素材やアプローチ方法は異なりながらも、どちらも神秘的で圧倒的な存在感を兼ね備えた鈴木聖峯と日下芝の作品群を是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。


鈴木聖峯 Seiho Suzuki
1966 年生まれ
東京造形大学(研究生)卒

個展
2021, ’18, ’09, ’04 ギャラリー テムズ(東京)
2020 セッションハウス・ガーデン(東京)
2019, ’18, ’16, ’15, ’13, ’11, ’07, ’05, ’03, ’01, ’99, ’96 湘南台画廊(神奈川)
2011, ’09 Shonandai MY Gallery(東京)
2010, ’08 ギャラリートモス (東京)
2007 アトリエ K アートスペース (神奈川)
2002, ’00, ’98, ’97 ギャラリー アーク(神奈川)
1999, ’23 ギャラリー(東京)

グループ展
2019 Affordable Art Fair Hong Kong(香港)
2018, ’08 ART Singapore 2008(シンガポール)
2017 Affordable Art Fair Brussels( ブリュッセル)
2015 YIA Art Fair(パリ)
2010 Shonandai MY Gallery(東京)
2007, ’06, ’05 KIAF(ソウル)
2007 GALARIE SOL(東京)
2006 ギャラリー 砂翁 & トモス(東京)
2005 ギャラリー 福山(東京)
1998, ’95 すどう美術館(東京)


日下芝 Reishi Kusaka
1968 北海道生まれ
1992 創形美術学校卒業
1999-2000 ホルベイン奨学生

個展
2021 b-gallery (池袋・東京)
2021, ’13 GALLERY AMI & KANOKO (大阪・日本橋)
2020 s+arts( 東京)
2017 GALLERY EL POETA2 日下芝水彩画展 (埼玉)
Gallery 彩光舎 (埼玉)
Gallery Art 童夢 (大阪)
2016 GALLERY EL POETA1 - 月上兎水彩画展 (埼玉)
2015 GALLERY EL POETA1 - 月上兎水彩画展 (埼玉)
2014 GALLERY EL POETA - 月上兎水彩画展 (埼玉)
2013 GALLERY EL POETA - 月上兎水彩画展 (埼玉)
  GALLERY:K(埼玉) GALLERY EL POET(東京)
2012 Shonandai MY Gallery (東京)
2011 Gallery EL・POETA (埼玉)
  Shonandai MY Gallery (東京)
2010 GALLERY 工房 親 (東京)
  GALLERY AMI & KANOKO(大阪)
2009 Shonandai MY Gallery (東京)
  Gallery 惺(東京)
2008 GALLERY 工房 親 (東京)
2007 湘南台画廊(神奈川)
2006 GALLERY 工房 親 (東京)
  GALLERY 舫( 東京)
2005 湘南台画廊(神奈川)
Gallery 惺(東京)
2004 GALLERY 舫( 東京)
NC Art Gallery(東京)
2003 湘南台画廊(神奈川)
2002 galerie ou (大阪) 楽風(埼玉)
KEY gallery(東京)
Gallery 惺(東京)
NC Art Gallery(東京)
2001 GALLERY AMI & KANOKO(大阪)
GALLERY 舫( 東京)
GALLERY PEJJITE(山梨)
小野画廊 (東京)
NC Art Gallery(東京)
2000 GALLERY 4GAT( 東京)
KEY gallery(東京)
湘南台画廊(神奈川)
NC Art Gallery( 東京)
GALLERY FRESCA( 東京)
1999 GALLERY 舫( 東京)
GALLERY 工房 親 (東京)
GALLERY B-ONE(東京)
KEY gallery(東京)
1998 GALLERY B-ONE (東京)
GALLERY SPACE 点 (東京)
小野画廊 (東京)
1997 GALLERY 17(東京) 

           

グループ展・コンクール・アートフェア
2021 第17回サムホール展 (ギャラリー彩光舎・浦和)
彩光舎絵画教室 講師・スタッフ展 (ギャラリー彩光舎・浦和)
2020 第16回サムホール展 (ギャラリー彩光舎・浦和)
彩光舎絵画教室 講師・スタッフ展 (ギャラリー彩光舎・浦和)
第2回TKO国際ミニプリント展2020(東京→京都→大阪)・佳作賞
2019 「さまざまな形、さまざまな色」Gallery 工房 親(恵比寿)
「第15回サムホール展」 ギャラリー彩光舎(浦和)
「Kontrapunkt - クボタタケオ・日下芝」 Gallery 工房 親(恵比寿)
PARIS CONTEMPORARY ART SHOW BY YIA ART FAIR / YUKIKO NAKAJIMA GALLERY(France・Paris)
「扇子と豆皿」 gallery SATORU(吉祥寺)
「伊東茂広 × 日下芝 二人展」 ギャラリー彩光舎(浦和)
「彩光舎絵画教室 講師・スタッフ展」 ギャラリー彩光舎(浦和)
2018 「日下芝 / 山本秀明 2人展」 Shonandai Gallery(六本木)
「彩光舎絵画教室 講師・スタッフ展」 ギャラリー彩光舎(浦和)
「第14回サムホール展」 ギャラリー彩光舎(浦和)
「さまざまな形、さまざまな色」 Gallery 工房 親(恵比寿)
Affordable Art Fair Singapore 2018 (Singapore) /Shonandai Galleryより
2017 「湘南台画廊30周年記念展」 湘南台画廊(神奈川)
「COLLECTION―PRINT & DRAWING 」gallery SATORU(吉祥寺)
「第13 回 サムホール展」ギャラリー彩光舎(浦和)
「さまざまな形、さまざまな色」 Gallery 工房 親(恵比寿)
2016 「MY Way 2016」 Shonandai MY Gallery(六本木)
「第12 回 チャリティ サムホール展」ギャラリー彩光舎(浦和)
「さまざまな形、さまざまな色展」 Gallery 工房 親(恵比寿)
「ART × BIKE 自転車、たおやかに…」Gallery 工房 親(恵比寿)
「Rich Seasons II」ORIE ART GALLERY(青山)
「紙の上の思考/ Thoughts through Drawings」gallery SATORU(吉祥寺)
2015 「LOOP」(Gallery 工房 親企画) 東京都済生会向島病院(向島)
「夢走する自転車 ART×BIKE」 Gallery 工房 親(恵比寿)
「Exhibition GOJUMAL」 元麻布ギャラリー(長野 )
2013 「MY duo 2013」 Shonandai MY Gallery(六本木)
仏蘭西厨房かえりやま/ Gallery 工房 親企画 (港区)
「絵画を考える―色彩―」Gallery 工房 親(恵比寿)
OFF-ART FAIR 2013 (ブリュッセル) / Shonandai Gallryより
「"mille-feuille" group exhibition」 gallery SATORU(吉祥寺)
「GURUGURU HOUSE in KOSHIGAYA Vol.3」GALLERY K(埼玉)
2012 「GallerySATORU - 迎春- 展」gallery SATORU(吉祥寺)
2011 「アートホスピタリティー展」Gallery 工房 親(恵比寿)
2010 VanDeb Editions & Ami/Kanoko Gallery - New oYrk-Osaka/Osaka-New York (ニューヨーク)
仏蘭西厨房かえりやま/ Gallery 工房 親企画(港区)
「10 人の視覚提言」Gallery 工房 親(恵比寿)      
「成人式」 Gallery 工房 親(恵比寿)
2009 東京コンテンポラリーアートフェア2009 (東京美術クラブ・渋谷)
slick09(パリ)
Art Osaka(堂島ホテル・大阪)
「2人展」KEY gallery(銀座)
2008 「Joyeux Noel ルージュの伝言」Gallery 工房 親(恵比寿)
Art Osaka(堂島ホテル・大阪)
「3人展」 gallery SATORU(吉祥寺)
「Shonandai MY Gallery open exhibition」Shonandai MYGallery(六本木)
2007 「Shonandai MY Gallery preopen exhibition」Shonandai MY Gallery(六本木)
「風の芸術展 受賞作家作品展」南瞑館(鹿児島)
2005 ART SCENE 2005 BIFUKA (北海道美深町)
KIAF(韓国)/ Shonandai Galleryより
第6回高知国際版画トリエンナーレ
「現代作家小品展」千駄木画廊(千駄木)
「キッコーマン 新春亀づくし展」 キッコーマンKCCギャラリー(新橋)
「定点2005 _それぞれの世界- 」Gallery SATORU(吉祥寺)
2004 「版の記憶現在/未来」東京芸術大学(上野)
「スウェーデン日本芸術交流プログラム 2004 “Link Our Valuable Earth ”展」 KSP(神奈川)
2003 「亀展」Gallery Barco (東京)
ART RINK 谷中
「出現するイメージ・消失するイメージVOL.3」 23GALLERY(東京)
2002 「出現するイメージ・消失するイメージVOL.2」マキイマサルファインアーツ(東京)
「GA・GY 展」ギャラリーヨコハマ(神奈川)
「公募WORK 3000」KEY gallery(銀座)
トルコ災害復興「心のパンプロジェクト」(トルコ・デイルメンデレ)
「インターナショナルグループ展」CAELUM GALLERY(ニューヨーク)
2001 出現するイメージ・消失するイメージ  VOL.1
「CONTEMPORARY ART TRIAL」グリーンホール相模原(神奈川)
「毎日モダンアートオークション2001」ラフォーレミュージアム六本木(六本木)
「風力4」 Galerie VERGER(相模原)
「2nd Young Painter Exhibition of JAPAN-BANGLADESH」
Zainul Gallery(バングラディシュ)/ 中和Gallery(東京)
「CONTENPORARY ART -白と黒の世界-」井上画廊(銀座)
他、多数。
2000年以前省略。

パブリックコレクション
埼玉県立近代美術館、デイルメンデレ美術館、多摩美術大学美術館、文化資料センター南溟館、いの町紙の博物館、阿伎留医療センター 、nana's green tea 柏高島屋ステーションモール店、東京藝術大学

受賞(抜粋)
2002 第7回「風の芸術」展トリエンナーレ / 佳作賞    
第5回高知国際版画トリエンナーレ / 佳作賞    
第3回東京国際ミニプリントトリエンナーレ2002 / 美術館賞
1998 「第27回現代日本美術展」東京都美術館・京都市美術館 / 毎日現代美術大賞 / 埼玉県立近代美術館賞